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捕食小説9(本編) [小説]

随分な年数が経ってしまいましたが
復活希望してくれる方がいらっしゃいましたので
本当に久しぶりに戻ってきてみました!

あまりにも時間が経ち過ぎているのでキャラの行動言動や
小説自身の書き方が前とは違うものになってしまうかもしれません(;´∀`)
ちなみに以前まで行っていた分岐やキャラ出演は行わないのでご了承を!

*今回のキャラ
ホーン、キア、サガミハラ、ブレク

サガミハラと言う青年が館へ来てしばらく時が経った
キアとサガミハラはそれぞれ部屋を与えられ
毎日捕食者達の糧としてその身を捧げる生活をしていた
日常的に行われる捕食行為に悩んだり苦しんだ時期もあったが
これが毎日となるとやはり慣れてしまう
しかしそれでも時折思い出したように家族のこと等が胸を締める
「なぁ、キア」
「ん?どうしたの」
二人は部屋で雑談をしていたのだが、その途中フッと表情を暗くし
サガミハラはキアに問い掛けた
「キアにも家族はいる?」
「えっ…あ、うん…いるよ」
体育座りをしていたキアは少し言葉に詰まりながらキュッと体を縮こまらせた
「そっか、そうだよね…僕達ここに居ていいのかな、心配してるよねきっと…」
「……きっと」
ぼそりと掻き消えるような声でキアは呟いた
「…僕の親は心配してない」
「そ、そんな事…!」
想像してなかった答えにサガミハラは動揺した
「居ない事には驚くと思うよ…でも、きっと僕は死んだ事になっていて
 今頃新しい子が来てると思う、僕よりずっといい子が…」
顔を埋めて表情は見えないがその声は震えていて泣いているのはすぐに分かった
「ぼく…は、悪い子…だか、ら」
「そんな事無いってキアは…!」
背中を撫でて慰めようとするその背後が急に寒く感じる
「悪い子どーーこだ!」
その場に全くそぐわない明るい口調で何も無い空間から現れた
仮面の下からにんまりと笑みを浮かべてそこにホーンは居た
「ホーン!?ちょっ…何を」
急に現れたホーンのマントからは複数の影の腕が伸び一瞬の内に二人を捕らえる
「いっただっきー!」
「わぁぁぁ!!?」
「ぅ、あっ…待って!!うわっ!!」
化け物相手では抵抗空しく
あっという間に二人をマントの中の空間へと引き擦り込まれる
「ました♪」
ぺろりと舌なめずりをしてホーンはマントを閉じるとそのままフッと空間へ掻き消えてしまった


「うっ…ここは?」
暫くして目を覚ますと真っ白な空間に二人はいた
「あぁ、きっとホーンに食べられちゃったんだな…」
はぁと息をつくとサガミハラは横でまだ気絶してるキアをポンポンと軽く叩き声を掛けた
「キア、キア?大丈夫か?」
「うぅ…ん…」
目をパチクリさせてゆっくりとキアは体を起こした
「僕達食べられちゃったの?」
「そうだろうなぁ、見覚えあるしここ」
慣れてるのもあって二人は特に驚くことも無くぼんやりとその空間を眺めていた
しかし普段は一対一で食べられていた二人は妙な奇妙さを感じていた
「同時に食べられちゃうのって初めてだね」
「そうだな…何か変な感じがする」
「あー二人も食べちゃってお腹いっぱいだよーなんてね!」
何処からともなく空間が歪みぼんやりとした姿のホーンが目の前に現れた
「ホーンさん!?」
二人が驚いていると相変わらずのニヤニヤ顔でホーンはこちらを見つめていた
「さて、どんな悪夢で君達を味わってあげようか…」
一瞬覗かせる捕食者としてのその表情に二人は思わず寄り添い震え上がった
「なーんちゃって☆」
コロコロと変わる表情にどうしたらいいか分からず二人は固まっていたが
ふわりとホーンが近寄ると二本の黒い影の腕が二人の胸を貫いた
「あっ…ぁ」
しかし血が出ることは無く体の中を何かが蠢く様な不快な感覚がして頭が痛くなる
暫くしてズルリとその腕を引き抜くと気持ちはすぐに楽になった
「ふむふむ、なるほどねぇ」
何がなるほどなのかホーンの言動や行動はよく分からなかった
「君達、何を悩んでるかと思いきや家族の心配してたのかー」
「えっ」
二人は同時にホーンを見つめた
「心を読ませてもらったよ、確かに君達は人間だしまだ若いから寂しくなる気持ちは分かるなー」
「さっきのは心を読んでいたんですね…」
「そうそう、気持ち悪かっただろ?内部を探られる気分は」
実に楽しそうに話すホーンに二人ははぁとため息をつく
「まぁまぁそんな嫌な顔しないでよ、君達にいいもの見せてあげるからさ」
「いいもの?」
キアが首を傾げるとホーンの姿は薄くなり途端に辺りは暗くなった
「えっ…ホーンさんどこに…く、暗いよ」
「キア大丈夫、僕もここに居るから」
怖がるキアの手をサガミハラは握ってあげた
本当は自分も少し怖いのを隠しながら
暫くするとぼんやりと目の前に光が見えて
その眩しさに思わず瞼を閉じ、ゆっくりと開くと目の前には大きな屋敷が映っていた
「さぁて…ここはどこでしょう?」
空間に響くようなホーンの声が聞こえキアはあっと小さく声を漏らした
そこに映っていた光景はまさしくキアの住んでいた屋敷だった
「僕の…お家」
「これキアの家なのか!?すっごい豪邸だな…」
やがて映像は庭へそして壁をすり抜け家の内部へと移って行った
「なぁ、これってもしかして…」
サガミハラがそう声を漏らした時クスクスと笑い声と声が響いた
「おや、気付いたかな?これは今僕が見ている光景だよ」
「見てるってホーンさん今僕の家に居るの!?」
「そう言うこと、どうだい久々に見る我が家は?帰りたくなったかい?」
「うっ…」
確かに帰りたい気持ちもあった
しかし退屈で同じ日々を繰り返してたあの頃に戻ってしまうと思うと
何ともいえない複雑な気持ちがこみ上げてくる
やがて次々と部屋を抜け一つの部屋で椅子に腰深く座る年老いた男性が映った
「爺や…!」
それはキアの世話をしてくれていた執事だった
知った顔を見かけキアの帰りたい気持ちは膨れ上がった
「ねぇホーンやっぱり帰りたい、帰りたいよ…僕をここから出して、お願い」
「おやおや、困ったね…出したら僕がみんなに怒られてしまうよ」
さらに映像は執事へと近寄った
「よぉく聞いてごらんキア、本当に帰りたくなるかな?」
「えっ…?」
最初はほとんど聞こえなかった執事の声がやがて鮮明に聞こえてくる

「全くキア坊ちゃんはどこへ行ってしまったのか…毎度毎度この爺の手を煩わせて…
 どこまでも世話の掛かる…」

「もういい…」
そこまで聞いてキアの瞳にはたくさんの涙が溢れた
「キア…」
声の掛けようが無くてサガミハラは唇を噛んだ
映像はそこでフッと消えやがて周りも明るくなった
「懐かしかったかい?帰りたくなったかい?でも、これが真実だよキア」
ホーンは再び現れてゆっくりとキアへ近付いた
「両親はどこかへ行ってるようだったね?さて…気持ちは変わったかな?」
マントから伸びる黒い影の手がキアの涙を掬い取る
「僕らは君達を必要としているんだ
 さぁおいでキア僕が君の悔しい気持ちごと優しく飲み込んであげよう」
「ぁ…ぅ…」
何かに取り憑かれたかのようにふらふらとキアはホーンの居る方へ歩み始めた
「キア…!」
サガミハラがそう叫ぶがその耳には届かず
ホーンのマントの辺りに大きく開いた口へ誘われるように近付き
キアをまるで抱きしめる様に口の中へ納めてしまった

――ゴックン

大きなものを飲み込む様な嚥下音が静かに響き大きな口は舌なめずりをした
「可哀想な子だ、フフ最高に美味しいね、さて…」
チラッと視線がサガミハラへ移るとサガミハラはビクリと体を震わせた
「君はどうやって食べちゃおうかな~」
「うぅ…やっぱり見逃してはくれないですよね…」
「残念、それはないかな」
そう言うと影の両手をまるで花の様に開いた
するとサガミハラのいた床がパックリと開きなす術なく落ちていった
中は粘液でまみれ細い肉壁の管の中で弄ばれ、意識は混濁しやがて気絶した
「んんっ…」

――ゴクンッ

「ふぅ、ご馳走様…ちょっと食べ過ぎちゃったかな?」
満足そうに笑みを浮かべホーンは二人の消えた部屋で一人フヨフヨと浮かんでいた
「本当にお前は悪趣味だなホーン」
一部始終をこっそりと見ていたのはフカフカとした毛のブレクだった
「おや?見られていたか、風呂上りかい?」
「まぁな、しかし話題をズラそうとしても無駄だ、お前はルールを侵した罰則だ」
「釣れないなぁ、あんな美味しそうな気持ちを出されていたら食べずにはいられないだろ?」
「何にしてもキア達の了承なしで喰ったのだから次の番はお預けだ分かったな」
鋭く睨まれやっと諦めたのかホーンは肩を落とし大きくため息をついた
「はーい、分かりましたよ~」
フッとホーンはその場から消えブレクは頭を掻いた
「何を見せられたか分かったものじゃ無いな…あいつは悪夢の塊みたいなものだからな」
そう呟きブレクもその部屋を後にした
(我々化け物は、お前達を手放すわけにはいかない真実を捻じ曲げてでも)



☆あとがき☆
と言うわけで5年ぶりの本編でした(;´∀`)←
今回はホーンさんメインの回になりましたww人気投票では順位低いのですが
作者的にはお気に入りの子でありますww
二人も攫っているので家族とかどうなの?みたいな所にちょっと注目してみましたw
サガミハラさんの家族は残念ながらどうなのか分からなかったのでキアばかりですみません(
どこまでが真実でどこまでがホーンの作り出した悪夢なのかは分からないと言う感じでw
捕食者達は(特にブレクは)優しい所もあるのですがキア達を手放す気は更々無いです!
どちらかと言うと少しずつ洗脳している感じですね(
これからそれぞれのキャラのメイン回みたいなのが書けたらいいなぁとは思いますが5年放置する
作者なのでちょっと自信は無いです←
でも楽しかったからまたもそもそ上げられたらなぁと思います(*´ω`*)










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